【本編完】最恐No. 1はそこにいる
我慢と癒しと決意と
それから約二週間、
夜な夜な死神で出掛ける。
最初は龍神のメンバーがいるかなと思ったが、
広野に言った言葉が効いたんだろう。
前と同じで、
ほとんど見かけない。
こりゃあ、行かないとダメになっちまったな。
ま、
全部終わったら行ってみるか。
それにしても、
昼は学校に行って、
夜は死神で暴れて、
空いてる時間に情報収集して、
を繰り返す毎日。
そろそろ飽きてきた。
詩音やじいちゃん、
組の皆、友達、
早く会いたいな。
会って皆で出かけたり、
馬鹿やったりしたいな。
ま、
それは後からめいいっぱいするとして、
まずはこっちに専念するか。
でもまぁ、
癒しは欲しい。
て事で雷、
頼んだ!
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今日もまた出掛ける。
「あ、真今日も?」
「あぁ、遅くなるから早く寝るんだぞ。」
「はーい!」
俺は雷に近付き、
抱き締める。
雷の頭を撫でて、
癒しを補充する。
「真、
今日俺の部屋来て寝ていいからね。
俺は寝てると思うけど。」
「ん。了解。ありがとう。」
「うん!」
「じゃ、行ってきます。」
雷を離して玄関に行く。
「行ってらっしゃい!
気をつけてね!」
俺は夜の街に飛び込んだ。
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それからまた数日後、
じいちゃんから連絡が来た。
氷鬼と一週間後に決戦だという。
その日で決着をつけるようだ。
氷鬼には先に情報を晒し、
人数を出させて一網打尽。
って言う寸法らしい。
そのため今回は前線で戦うのは俺だけでなく、
組員も十数名参加らしい。
それらは、
俺を次期組長として、
快く思っていないものばかりだった。
多分じいちゃんは、
納得させろって事で選んだのだろう。
言われなくてもそのつもりだ。
俺は組員を不安にさせる組長になんて絶対ならない。
どんな事も受け入れられる。
そんなじいちゃんみたいな組長に俺はなる。
今回の戦い、
組員の誰一人として、
怪我なんてさせない。