【本編完】最恐No. 1はそこにいる
終わり
___________っ…、
俺は頭で考えるより先に、
東堂に向けられていたナイフを掴んでいた。
当然、
手から血が落ちる。
「真さん!」
東堂の声が、後ろから聞こえる。
「ここは俺に任せろ!
話は終わってからだ!」
俺は東堂に言い放ち、
東堂の前に立つ。
東堂は悔しそうに頷く。
それからも状況は刻々と変わる。
俺が指示して交代する、
状況が変わったらまた指示をする。
それを繰り返した。
東堂はあれから指示を聞くようになった。
そして、
それに影響されてか、
全員の動きが確実に変わった。
まず、指示を無視することはなくなった。
そして、
俺の戦いを見てくれと言わんばかりに、
動きにキレが出てきた。
それにより指示がしやすくなり、
序盤よりもスムーズに倒していく。
暫く戦っていると、
残りは倉庫の中身だけになった。
「最後だ!
気ー張っていけ!」
『おぉぉぉぉぉぉ!』
最初はなかった結束力。
今では最初からあったかのように、
息が合っていた。
そんな俺達を、
氷鬼に止められるわけがなく、最後の一人。
俺が一対一で向き合う。
矢武は顔を歪ませる。
だがその瞬間、矢武は銃を取りだした。
「くそ!死ねぇぇえ!」
バンッ、
バンッ、
バンッ、
バンッ、ガシャッ…バキッ…。
こっちは伊達に組のもんじゃないんだ。
銃なんか、組潰す時に何回も見た。
俺は冷静に弾を避けながら近付き、
銃を蹴る。
そして、
矢武の頬を俺の今日一の力で殴る。
矢武は地面に伏した。
「終わりだ。」