【本編完】最恐No. 1はそこにいる
第一章 入学式
朝
ジリリリリリリリリリリガチャ……。
もう朝か。
俺はまだ寝たい気持ちを抑えつつ準備をした。
リビングに降りると、
雷がご飯を作ってくれていた。
「おはよう、雷(らい)」
「おはよう真(まこと)!」
満面の笑みで答えてくれる。
「今日は入学式だね〜
真と一緒の高校行ける!」
といいながら、
鼻歌を歌いながらスキップしている。
「まぁ、学校ではなるべく話さないようにな。」
「分かってるって♪
静かに嬉しさを噛み締めとく!」
ガッツポーズをし、頷く雷。
そんな可愛い行動を見ていると、
思わず頬が上がる。
「ぐっ、」
いきなり雷が顔を手で覆うと、
変な声を出した。
「どした、大丈夫か?」
「だ、大丈夫。
悶えただけだから。」
「…?
まぁ、大丈夫ならいいが、無理はするなよ。」
俺は雷の頭を撫でながらそう言う。
「うん!ありがとう!」
「ん、じゃあ準備して行くか。」
「おー!」
___________
学校へ行くにはまだ早い時間。
「んじゃあ、俺が先行くね!」
「あぁ、いってらっしゃい。」
「いってきます!」
雷は、
仲間と集まる予定があるとかで、
早めに出て行った。
が、俺が暇になった。
少しテレビを付けてみる。
「…はい、では次はこのニュースです。
大手チェーンメーカーの社長夜月迅氏が、
薬物を使用しているという噂が流れています。
○○さん、これはどうなんでしょうね?
そうですね、
ただたんに噂だけなら、
ニュースで取り上げられることはないんですが。
警察も動いているということですからね。
これから捜s(((ブチッ」
これはまだ早い。
テレビを消し、
どうしようかと思った。
が、結局パソコンに行き着いた。
ん、依頼?
俺はメールを開く。
あぁ、じいちゃんからか。
分かったと返信をする。
今度はあいつらか、
これまで徐々に戦力を削ってきたが、
もう遠慮はいらないってことだな。
「これからが本番だ。」
俺は誰にともなくそう言った。