【本編完】最恐No. 1はそこにいる

死神のオセロ講座






「ご馳走様でした。」



「はい。

お粗末様でした。」




俺は朝食を食べ終わると、

雷達のいるソファに座る。




「どっちだ?」



俺が聞くと、雷が答えた。



「今東堂さんの番で、

俺は白だよ。」



今は後半で、黒の方が多い。



「俺最初はいいんだけどねー、

後からどんどんひっくり返されるんだー。」




「だろうな。」



俺がそう言うと雷がはっとして俺を見る。



「真!秘訣教えて!」



「あぁいいけど、

これが終わってからな。」




「はーい。」





何手か打つと終わった。




「真ー、負けたよー。

教えて〜」



雷は俺の膝に頭を乗せた。



「あぁ。」



俺は雷の頭を撫でながらそう言う。



「まず、

最初に多く取ってはほとんどの確率負ける。」



「えぇ!まじか!」



雷は飛び起きて俺を見る。



「ん。


最初は少しだけとることに専念する。


まぁ、途中で全滅させられない程度にな。


それから、隅は一番とりたい場所だ、

置ける時は置け。


それから…」



聞いていた雷が突然遮った。



「ちょっとタンマ!


メモるからゆっくり言って!」




雷は自由帳をどこからか持ち、ペンを持つ。


先に最初俺が言ったことをメモする。


終わると俺に向き直った。




「よし!どうぞ!」




「ん。

それが出来たら次だ。


辺はあまり取らないこと。


それから、

一方向返しの技が効果的だ。


後は斜めになるように積極的に取らないこと。


まぁこれぐらいが出来たら大抵の奴には勝てる。」




雷はふむふむとメモしていく。




「俺初めて知ったのばっかりだ!」



雷が目をキラキラさせて言う。



「まぁ普通に生活してたら使わないことだしな。」



「俺今なら勝てる気がしてきた!」



「これぐらいはまだ初心者抜けたぐらいだけどな。」



「え!初心者?!」



「あぁ、プロだったらもっと技知ってるからな。」



「えー、技知ってたら勝つものなの?」



「あぁ、技を知ってて、

勝負の時それを覚えてたら勝つ。



オセロはほとんど記憶勝負な所があるし、

あー、

そう考えると将棋も結構似てるかな。」




「へぁー、奥が深いんだね。

俺そんなに覚えれなさそう。」




「まぁ楽しむ分には、

俺がさっき言ったぐらいで十分だろう。」




「親分、俺の知らないのもありました!


俺とオセロやって教えてください!」



東堂が勢いよく俺の前に来る。



「あぁ、やってやるから落ち着け。」




「東堂さん抜け駆けずるい!


俺も真とする!」




こうして結局、

松原も交えて午前中はずっとオセロをしていた。




< 32 / 82 >

この作品をシェア

pagetop