【本編完】最恐No. 1はそこにいる

別れ





俺が返事すると沈黙が流れた。


この時間は何だ。


と思っていると、

参謀を担当している蒼龍(そうりゅう)が話しだした。



「すみません死神。

この子達緊張しているみたいで。」



「…そうか。」


そう返事はしたが、

やはり危惧した通り何もすることがないのだろう。


…帰るか。



「赤龍、約束は果たした。」


そう告げるとバイクに跨った。



「ま、まって!

私も話したいことあるの!」



赤龍の話…


それだけ聞くか。



「このまま聞く。」



「ありがとう…!


…私ね、野バラに助けて貰ったことがあるの!

死神と野バラってコンビ組んでたでしょ…?

だからその、

野バラにありがとうって、伝えてくれる…?」




詩音にか…

こいつらと詩音は本当に出会う運命だったんだな。



「分かった。」



「ありがとう!

あと、その、これ!」



赤龍はそういうと俺に近づいて袋を前に出した。



「あの時の服、ありがとう!


死神にも助けられちゃって、

私もまだまだ鍛えるようにしなきゃね。」



赤龍が笑顔でそういう。


その顔が何だか野バラに似ていて、

自然と頭に手がいった。



「え、しに、がみ…?」



頭を少し撫でてから袋を受け取った。



「ありがとう。じゃあな。」



俺はそういうとバイクを走らせた。




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