【本編完】最恐No. 1はそこにいる
第二章 高木組討伐
帰る場所
入学式が終わったその日の夜。
俺は戦いに向けて体力を温存していた。
朝じいちゃんから依頼が来た。
今日、高木組を潰すと。
頼れる協力者も一人いる。
まぁ、それに高木組を倒せば、
族No.2の氷鬼と結託することは無くなる。
個々の力はそれほど強くない。
ん、そろそろ時間だ。
別の案件で調べ物をしていたらすぐだった。
準備をして死神の格好になる。
さぁ、行くか。
俺がリビングを出ようとすると、
雷が帰ってきた。
「あれ、今から死神がお出かけ?」
「あぁ、運動してくる。」
「…そっか。
いってらっしゃい、気をつけてね!」
「あぁ、行ってくる。」
雷は何も知らない、聞いてこない。
俺には、それが心地よかった。
何も詮索されず、
ただ帰りを待ってくれる。
雷がいてくれて良かった。
半年前、
俺は何気なく雷を家に連れてきた。
多分俺は無意識のうちに、
寂しさを紛らわそうとしていたんだろう。
雷、
俺は必ず帰る。
お前の元へ。
待っていてくれ。