Cardな上下関係



「どうしてそこまで怒ってるの?」


「どうしてか…だって?」


彼は口元に苦笑を浮かべ、鋭い顔つきになる


グイッと唇を強引に奪われ、私は突然の接吻に咳き込む



唇を離した彼が呟いた一言は、思いがけないものだった



「彼女、だったんだ」


「…………彼女…?」



「そう、俺のな。もう気はすんだだろう?後からメイドがくるからドレスを選んでおけ」


彼はそのままドアに向かい、部屋から出て行った

その背中が寂しそうで、思わず抱き締めてあげたくなった



嫌いなはずなのに


過去を知った以上、そう思った以上、私は逃れられない



あなたという、籠から





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