ずっと・・・



結婚とか考えたら、このままでいいはずがないのだけど。

全て、私のためだった。

その私は、結婚どころか彼氏だって諦めている。

男が嫌いな訳じゃない。

でも、誰も信用していない私は、彼氏が欲しいとは思わない。

好きだという想いも、遠い昔の記憶の中でしかない。

その時に、全てを置いてきたから。

今の私には必要ないものだ。


「アタシもうまくいってるから。今度、3人で逢おうって言ってたよ」


にっこり笑って言う実彩子は、本当に幸せそうだ。


「じゃあ、また今度3人で逢おう。ひとまず今日は、忙しくなる前の一時を楽しもうか」

「賛成!」


この時の私は、まだ何も気づいてなかった。

この先起こることなんて、少しも予想していなかった。

そもそも、今でも関係があるなんて思いもしなかったんだ。


ただなんとなく過ぎていく毎日。

それで良かったはずなのに。

私の想いとは裏腹に、日常が壊されていく。

少しずつ、仮面が剥ぎ取られていく。

今では遠い昔の記憶だった想いが甦る。


偽りの幸せで夢のような時間から5年以上、再び目の前に現れたんだ。




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