ずっと・・・
「まぁ、諦めることだね。佑介は手放すつもりはないから」
「……は?」
「早く行かないと、始まるよ」
爽やかに手を振って去って行かれるけど、頭がついていかない。
とりあえず、仕事に入らないと。
金曜の書類しないとだし。
って、今、なんて言った?
手放すつもりはない?
どこからそんな話しが出てきたの。
彼女とそんな話しはしていない。
彼が相手なら、分からなくもない。
と、言うことは、あの人知ってるんだ。
彼の気持ちを。
そんなに親しいのか。
佑介って呼んでるぐらいだから親しいのかもしれないけど、そんなことまで話す仲?
まさか、私の正体まで知らないよね。
高校の同級生ってことぐらいは知られているのかも。
あの人も、要注意人物だ。
「内山さん、おはよう」
「あ、おはようございます。すみません、遅くなって」
「いいわよ、連絡は受けているから」
「連絡?」
「結城くんから、女に捕まっていたからって」
「結城くん?」