ずっと・・・
だから、何も知らないはず。
それこそイケメンだからという理由だけで、狙いをつけたのだろう。
それじゃあ、誰も相手にしない。
気にも留めない存在だろうな。
とはいえ、私相手には言いやすいのだろうから、たぶんこれからも言ってくるのだろう。
どうするべきか……。
「内山さん」
定時を1時間以上過ぎてから、仕事を切り上げて帰ろうとした。
そしたら、会社の玄関先で声をかけられた。
そちらを見ると、女の子だった。
またか、と嫌な予感がする。
「お疲れ様です。どうかされたんですか?」
立ち止まることなく、流しつつ聞く。
だけど、前に立ちはだかれてしまう。
「まだ、何も行動してないんですか?」
「何の話しですか?」
「ペアの件ですよ。早く断って下さい」
「すでに動き始めてるので、今更変更はきかないと思いますけど」
「内山さんがしていることは、誰にでも出来ることでしょう?いくらでも変更は出来ます」