ずっと・・・
「……え、誰?」
「こんな人、いたっけ?」
「こんな美人、見落とす訳ないじゃん」
「じゃあ、新しい人?」
「こんな時期にないよね。異動とかも聞いてないし」
そんな話し声が聞こえる。
ちょっと笑えてくるよね。
誰1人として私が誰か分かっていない。
その中で、楓先輩だけが満足そうにこちらを見ていた。
「えっ……!?嘘……」
私たちが自席へついたとたん、みんなが息を飲んだ。
「おはよう」
「おはようございます」
その様子を見つつ、楓先輩が何も変わらず挨拶する。
「ねぇ、早速だけどコレ頼んでいい?」
「ああ、この前の分ですね。分かりました」
周りの目など気にせず、仕事に入る。
実彩子も我関せずな態度で普通に上司に話しかけている。
それでも周りはついていけず、ぽかんとしている。
だけど、そうしてるのは若い子ばかり。
上の人や男性は気にせず仕事を始めた。