ずっと・・・
2nd*消し去れない
それは、3ヶ月という期間限定だった。
「内山有紗、話しがある」
高校3年生、いつもと変わらない1日を過ごしていた昼食時だった。
急に教室がざわついたかと思えば、すぐ目の前でそんな声が聞こえた。
ざわつきは、一向にやむ気配はない。
一緒にお弁当を食べていた実彩子も、驚いて私と声の主を交互に見ている。
私自身だって、驚いて相手を見つめるだけ。
だって、私が話しかけられることなんて一生ないと思っていた。
高校3年間同じクラスにはならず、話す機会どころか接点さえない。
相手が私を知っているとは思えなかった。
でも、知っている人は知っているのだろう。
頭のいい人が通うこの学校で、私の成績は学年1、2位を争うほどで、資格試験もほとんど合格者欄に載っているのだから。
ただ、そんな私と違って、目の前の彼は全校生徒が存在を知っている。
その理由は簡単、この学校の理事長の息子だから。
彼が好きで広めている訳ではない。
理事長である母親が、何かと彼に構っているのだ。