ずっと・・・
それがあるから、1年生でもすぐに門脇佑介の名前は耳にするようになる。
それを、彼自身は嫌がっていると聞いたことがある。
「おい、聞いているか?」
「え?あ……」
どのくらい黙ったままでいたのだろう。
覗くようにして言われるものだから、ドキッとしてしまう。
なんと言っても、彼の顔は整っているのだ。
だから、このざわつきようなんだけど。
「えっと……話しってなんでしょう?」
頭の中を整理して、1番最初の言葉を思い出す。
わざわざここまで来て、話しってなんだろう。
違うクラスで共通点なんてない。
さっきも思った通り、接点なんてないのだ。
「ここじゃ、ちょっとマズイ。少しいいか?」
言葉遣いはキツイけど、決して威圧的ではなく、優しさもある。
そんな彼だからこそモテるのだろう。
イケメンの上に性格も良さそうだったら、パーフェクトだよね。
しかも、成績も上位の方らしいし。