ずっと・・・
ただ、理事長の存在があるから誰も本気ではいかないようだけど。
全然話しの内容が見えないけど、とりあえず頷いて立ち上がる。
「ちょっと有紗、大丈夫?」
「大丈夫だよ」
実彩子が小声で心配する。
何も、私なんかを取って食う人なんていないから。
「話しって何かな」
「あ、まさか告白?」
「えー、そんな訳ないでしょ。勉強するしかない内山さんだよ?」
そんな会話が聞こえてくる。
こういう時って、眼鏡はいいアイテムだよね。
頭がいいと眼鏡がくれば、おさげじゃなくても地味な存在に見えるらしい。
ガリ勉に見えるらしい。
狙ってやっているけど、本当の自分を隠すにはちょうどいいアイテムだった。
教室を出た私たちは、人の気配が全然ない屋上へ来ていた。
屋上って、入れるんだ。
これって、理事長の息子の特権じゃないよね?
そんなことを思いながら、彼が話し出すのを待った。
「オレと付き合ってくれ」
「…………は?」