ずっと・・・
「オレは、親の言いなりにはなりたくない。結婚は、自分が決めたヤツとしたいんだ。だから、見合いを受ける訳にはいかない」
「見合いを受けても、すぐ結婚な訳じゃないですよね?」
「イヤ、親は決めるつもりだし、相手もそれでいいと言っている」
「じゃあ、何が嫌なんですか?あなたがOKすればいいだけでは?」
「言っただろう。結婚は好きなヤツとしたい。オレは、相手を好きじゃないんだ」
きっぱり言う彼に、私の心臓は高鳴ってしまった。
こういう風に想われたら幸せなんだろうな。
でも残念ながら、相手は私じゃない。
話しを聞く限り、私は見合いを断るための口実だ。
「私は、偽りの恋人ですか。
では、どうして私なんですか?」
ため息とともに吐き出す。
女なんて、そこら辺にたくさんいる。
彼に協力してくれる人はいくらでもいると思う。
地味な私を選ぶ理由が分からない。
「学年1、2位を争うほどのあんたじゃなきゃ、親は納得してくれない。見合い相手は、将来に相応しく頭のいい令嬢だから」