ずっと・・・
知っているのは、いつも一緒にいる実彩子、ただ1人なのに。
余計なことの巻き込まれないための防御だったのに。
「もちろん、タダでとは言わない。バイトだと思ってやって。成功報酬は出すから」
否定すれば良かったのかもしれない。
でも、否定させてくれる雰囲気はない。
もう、そうだと決めつけている。
と、言うよりも、確信していると言った方が正しいかもしれない。
彼の頭の中には、私以外の候補はいないみたいだ。
「まぁ、断ったらあんたの正体バラすけど」
ニヤリと笑ったその表情に、私は逃げ場を失った。
平穏な日常が壊されてしまう。
「……分かりました」
「交渉成立だな。期間は、卒業までの3ヶ月」
「えっ?3ヶ月も?」
お見合いの場だけでいいんじゃないだろうか。
「その場限りじゃ、親にバレちまう。学校でも、自然と噂が流れるぐらいがいい」
「はぁ?今の私が隣にいたんじゃ、説得力ないですよ」