ずっと・・・



「オフ用にしろとは言わない。隠すのにも、それなりの理由があるだろうし。学校では、せめて髪をおろせ。学校以外では、通常のあんたを出せよ」


この人、明らかにオフ用の私を知っている。

そうじゃなければ、せめて髪わおろせなんてセリフ、出てこない。

どこかで見られていたのだろうか。

だけど、いきなり外で逢ったところで私だと分からないはず。

じゃあ、どうして。

それに学校以外って、ここ以外で逢うことがあるのだろうか。

そして、この人の前では全てをさらけ出せということか。

ここまで知っているくせに理由を聞かないのは、彼なりの優しさなのだろうか。


「分かりました。卒業までの3ヶ月、あなたの彼女になります」


こうして彼の提案を承諾したとたん、私の恋は終わりを告げた。

強がった感じで対応はしていたけど、密かに彼に好意を寄せていた。

でも、さっきの話しを聞いて全てを諦めた。

私は利用されているにすぎないから。




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