ずっと・・・



「釣り合う、釣り合わないは他人が決めることじゃないだろう?好きならそれでいいと思うけど。それこそ、他人にどう思われようといいんじゃないか?」


驚いた。

この人、まともな思考を持っているんだ。

まぁ、見合いが嫌だと言うぐらいだから、こういう考えは持っているか。

確かに、彼の言う通りだと思う。

それでも、私は自分の立場は分かっているつもり。

それ以上のモノは望んではいけない。

望んでしまえば、痛い目見ると分かっているから。


「何が有紗を変えてしまった?」


ポツリと呟いた彼の言葉は、私には答えられないもの。

しかも、少しだけ意味深だ。

その言い方では、地味にする前のことを知っているみたいだ。

そんな訳ないのに。

高校からずっとこの格好だ。

中学は、こことは離れている。

誰も私の過去を知っている人はいない。

そういう場所を選んで来たのだから。

この人は、何をどこまで知っているのだろう。




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