ずっと・・・



下手したら、私の素行調査なんてされないだろうか。

……もうされてるか。

付き合い始めてすぐに周りに知れ渡って。

2週間も経っていれば、理事長の耳にも入っているはずだ。

その上、彼が話したとなると、まず最初に相手に相応しいか調査されるだろう。

そのぐらいの時期かな。

また一つ、私の秘密は彼に知られてしまうのだろう。

まぁ、色々と上手く処理はしてくれるだろう。

たとえ、理事長に相応しいと認めてもらえたとしても、私たちは偽りでしかない。

本物にはなれないのだから。


「有紗?やっぱり、言ったらまずかったか?」


黙り込んだ私を心配して、除き込むようにして言う。

その問いに首を振る。

彼の立場だったら、言うしかないと理解は出来るから。


「まぁ、母親が知ったところで誰かに話すなんてことはねぇから」


それもそうだろうね。

私のことは誰かに話したところで、得することは何もないのだから。




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