ずっと・・・
4th*鳴り止まない
それから5年が経過した現在、まさかまた逢うことになるとは思わなかった。
しかも、同じ会社にいたなんて。
全然知らなかった。
イケメンの中のイケメンがいると話題になった覚えもない。
でも、何で誰も相手にしないのだろう。
今では自由になって、好きに選べるはずなのに。
もしかしたら、もう決まった人でもいるのかもしれない。
……って、気にするとこはそこじゃない。
一緒に仕事をするとかありえないんだけど。
一目見て動揺してしまう私は、まだまだ強くない。
今でも彼が特別だと言っているようなものじゃないか。
そんな訳がないのに。
そんなことがあってはならないのに。
でも、今更彼も私に何かしたりはしないだろう。
大人になった今、母親の目はないはずだから。
「言わなかったこと、怒ってる?」
仕事の定時後、実彩子と一緒にご飯を食べていると、不安そうに言われた。
そう言うということは、やっぱり知っていたんだ。