ずっと・・・
「いつから知ってたの?」
「……ごめん、入社してすぐぐらい?」
「え?そんなに前から?」
「アタシたちが入社した時に、1番のイケメンが入って来たって噂になって。アタシ、本社で研修してたじゃん?その時に見たんだよね」
「噂になってたんだ。全然知らなかった」
「有紗は、興味を示してなかったもん。
その前に、入社当時はまだ卒業式当日の出来事を引きずっていたし。その中で、門脇くんがここにいるなんて話したらヤバイと思ったんだよね」
「まぁ……確かに」
「その後は……忘れてた。まさか一緒に仕事するなんて思っていなかったし」
実彩子の言う通り、あのあとは本当に酷かった。
思った以上に引きずってしまい、入社後数ヶ月の記憶がほとんどない。
あの状況で、よく仕事をしていたなと思う。
それに、よく仕事を覚えられたなとも思う。
だから、当時に彼がここにいると知れば、私はどうなっていたか分からない。