ずっと・・・



「悪いな。返信したけど、それに対して音沙汰がないから来たんだけど」


さっきの会話が聞こえていたのだろう。

申し訳なさそうにそう言う。


「すみません。早く終わらせないとって思っていたので、全然携帯を見ていなかったです」


別に彼のせいではないので、さっきの会話に話しが戻らないように言った。

しかも、下手すると昔の話しに戻りそうで。

まだ2回目。

そんな余裕は、私にはない。

こうやって、社内を2人で歩いているだけでも緊張するのに。

それにしても、すれ違う人、必ず振り向かれる。

イケメンに慣れているであろう上の人でもそうなんだから、やっぱり上級クラスのイケメンなのだろう。


「まぁ、無事に終わったんならいいよ。返事がなかったから心配したけど」

「すみません」


彼も意図が分かったのか、話しを戻すことはしなかった。

そのまま、得意先へ行って話し合いをする。

そう、私は恋愛をするために仕事に来ている訳じゃない。




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