ずっと・・・



「あー、視線感じてたな。その視線が近づいているのも気づいていたけど。って、実彩子がいても声かけてくる人はいるじゃない」

「まぁ、確かに。玉砕するのにねー」

「とりあえず、出よう。そろそろ、視線が痛い」


そう言って、2人でカフェを出た。

長時間同じ場所にいると、周りも動かない。

ずっと、私たちを見ていようと思うらしく、視線が熱くなってくる。

その視線は、必ずしも男ばかりではない。

女も見ている。

カップルでいようとも、2人して見てるもんだからどうしようもない。

彼女だって、敗けを認めて仕方ないとさえ思ってしまう。

オフになると、それだけの容姿を持ち合わせていた。


「ねぇねぇ、君たち暇?」


歩いている私たちに、2人組の男が話しかけてきた。


「暇じゃない」

「そんなこと言わずに、遊ばない?」

「遊ばない」

「連れないなぁ。
今からどこ行くの?俺らも一緒に行くよ」

「行かない。邪魔」

「邪魔って酷くない?こんなに誘ってんのにさ」




< 8 / 140 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop