ずっと・・・
「あー、視線感じてたな。その視線が近づいているのも気づいていたけど。って、実彩子がいても声かけてくる人はいるじゃない」
「まぁ、確かに。玉砕するのにねー」
「とりあえず、出よう。そろそろ、視線が痛い」
そう言って、2人でカフェを出た。
長時間同じ場所にいると、周りも動かない。
ずっと、私たちを見ていようと思うらしく、視線が熱くなってくる。
その視線は、必ずしも男ばかりではない。
女も見ている。
カップルでいようとも、2人して見てるもんだからどうしようもない。
彼女だって、敗けを認めて仕方ないとさえ思ってしまう。
オフになると、それだけの容姿を持ち合わせていた。
「ねぇねぇ、君たち暇?」
歩いている私たちに、2人組の男が話しかけてきた。
「暇じゃない」
「そんなこと言わずに、遊ばない?」
「遊ばない」
「連れないなぁ。
今からどこ行くの?俺らも一緒に行くよ」
「行かない。邪魔」
「邪魔って酷くない?こんなに誘ってんのにさ」