ずっと・・・



なんとか隙間を見つけて胸を押すけど、離れてはくれない。

その間も、唇は離れず、だんだん深くなっていく。

身体中が熱い。


「……はぁっ、何する、の」

「有紗が信じないから、体で示したんだけど」

「そんなこと、頼んで、ないっ」


酸素不足で話すものだから、息が切れ切れになっている。

怒っているのに、迫力は半減だ。


「だって、信じてねぇだろ?他に示す方法ねぇし。これ以上のことは、ここでやるのはマズイし」

「な、何言ってるのよ」

「だから、有紗が信じるまで何でもするって。好きなんだから、キスしたいと思うし、このまま押し倒してしまいたいとも思うけど」


そう言って、私の両肩を掴んで後ろに倒そうとする。


「ちょっとっ。わ、分かったって。分かりましたっ。信じますっ」


おそらく私の顔は真っ赤だろう。

それでも、そう言わないと離してもらえないと思った。

いつまでも嘘だと言っていても、彼は本気でこの先をやってしまいそうだ。

信じると言わない限り、この攻防は終わらない。




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