ずっと・・・
「それは、言ったら意味がないだろ」
そう言って、車から出ようとした私の手を引き、私の首筋に触れる。
「やっ……」
触れるなんて、生易しいものじゃなかった。
私の首筋に顔を埋めた彼。
少し唇が触れたかと思えば、ちくりと痛みが走った。
「何して……」
痛みが走ったとたん、ばっと離れて車から降りる。
そして、首筋を手で押さえながら言う。
「オレの気持ちを忘れてもらっては困るからな。なかったことにはさせない。これは、そのシルシ」
「シルシって、まさかっ」
イヤ、ありえなくない?
付き合っている訳じゃないんだよ。
忘れられる訳もないし、ここまでされといてなかったことには出来ないのに。
この人は、分かった上でやっているんだ。
「じゃあ、おやすみ」
離れた私をもう1度引き寄せ、額にそっとキスをして車は走り去っていく。
私は、その場に崩れ落ちた。
予想外のことに、本当に疲れた。
何でこんなことになったんだ。