ずっと・・・



「そ、そうだよね。ごめん」

「何があったのか知らないけど……って、仕事帰りだよね?何で、そんな格好してるの?」

「え?あ……イヤ、まぁ……」


言われて思い出したけど、私今素だった。

平日の仕事帰りに素になっていれば、どうしたのか気になるわ。

でも、上手い言い訳なんて思いつかない。


「まぁ、いいや。なんにしろ、いい傾向かもしれないし。とにかく、中へ入ろう」


そう促されて中へ入る。

言い訳が出来ず、勘違いしてそうだけど、少し話したことで落ち着いた。

とにかく、今の状況で自分の気持ちを正直に伝えるなんて無理だ。

当分は、のらりくらりとかわそう。

この案件が終われば接点はなくなるのだから。


そう決めて、私は明日からを普通に過ごそうとした。

でも、相手は彼なのだ。

私の思い通りに事が運ぶはずがなかったんだ。




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