ずっと・・・



あ、思い出した。

彼と1番最初に出かける時に、駐車場で待っていた人だ。

でも、この人も本社の人じゃなかったっけ?


「あ、彼女に引き留められまして、まだ何も出来ていません」

「へぇ、仕事の邪魔をしてるんだ。
君は何の権限があって、そんなことをしているのかな?あきらかに、内山さんの方が先輩だろう?」

「え?あ……イヤ……」


急にイケメンに遮られて、頭がついていってないのか。

しどろもどろになっている。

さっきまでの勢いはどこへ行ったよ。


「別になんでもないですっ」


そう言って彼女は去って行くけど、なんでもないって。

他の人に聞かれて困る話しなら、こんな朝に捕まえてまでするなよ。


「大丈夫?」

「あ、ありがとうございます」

「イヤ、内山さんも大変だね。佑介と関わったばかりに」


笑いながら言われるけど、笑い事ではないから。

しかも、ばっちり話しを聞いていたのか。




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