ひとりだと思っていた君へ

さっきまでの淋しさを忘れたように明るく笑う柚月にハローくんもほっとする。
そして、以前美織に言われた柚月が自分と仲良くする訳というのは、こういうことかと理解した。
元々好意的ではあったけど、それは自分にこのことを尋ねるためのようだった。
確かに今更ながら美織が『そんな理由で仲良くなるのは辛い』と言ったことは間違ってはないと苦笑する。

でも丁度良かったのかもしれない。
体調を悪くさせたことや、怖い思いをさせたことに責任はやっぱり感じているし、そもそも彼女を助けに行くと決めたとき、本当はもう会わないつもりでいたのだ。
このタイミングでちゃんとした気持ちを知れて良かったように思える。

かといって、柚月が全てその思いで接していたわけではないのもわかっている。
本当の自分は、人の心を温かくしたり笑顔にしたり、優しい気持ちにさせてくれると一生懸命伝えてくれた。
今振り返ると、そんな彼女といる自分は少し優しい存在にも感じられた。
柚月が彼に知らない自分を知れたと伝えてくれたが、自分も同様だったようだ。
素直に、そのことに感謝したくもなった。
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