ひとりだと思っていた君へ
「だから、そんなときに柚月に再会できて嬉しかったよ」
「え?」
「柚月と一緒に瑞樹の話をしていると、あいつが生きていたことや、そのときにあいつがそこにいるだけで、どれだけ俺が幸せを感じていたか、ありがとうってあいつに対して感じていたか思い出せたから。
そう感じているとあいつと繋がってるんだなって気づけてすごく安心できる時間だった。
あいつが死んだことは、人を不幸にしてるんじゃない。
命があっただけで、感謝出来る。
だから、柚月にも感謝してる。本当にありがとう」
柚月は否定せずにただ頷いた。
柚月にとっても瑞樹くんといた時間は、かけがえのないものだ。
彼がそこで生きているだけで、励ましや勇気を感じていた。
それは亡くなった今でも変わらない。
「俺、柚月のこと守るとかそういうことばかり思ってたけど、本当は逆だったんだね。柚月にいつも励まされてたし、支えられてた」
そう呟いてから須長くんは『支えられてる』といったハローくんを思い出した。
柚月は自分のこんな気持ちを知らなくても気づけば支えてくれていた。
気持ちを知らなくても支えられているとは、こういうことを言うのかと、あんな奴に教えられるのかと笑いたくなったけど、どこかすがすがしかった。