ひとりだと思っていた君へ

「どうも」

約束した場所で合流すると、ハローくんがいた。
比較的暖かいせいもあり、Tシャツにパーカーにゆったりめのジーンズといった私服姿だった。
その隣に立っている男の子はハローくんよりも身長が大きくガタイがいい。釣り目できりっとした顔だちをしているが、それよりも目を引いたのは金髪だ。

「来てくれてありがとう。私の友達の湖夏」
「これ、渋谷(シブタニ)」
「よろしく」と不愛想で答えるから、より怖さが際立った。

「えっと、どこ行こうか。なんか食べる?」
「食べる」とハローくんは即答する。

手に持っていたパンフレットをハローくんに手渡すと、渋谷がそれを覗き込む。
湖夏が声を潜め耳打ちする。

「ちょっとなんかさあの友達ヤンキー? なんで金髪?」
「私も意外でちょっとびっくりした」
「やっぱり附学ってそういう人多いのかな。まあ、なんにせよ。ハローくんは可愛いじゃん。京先輩っぽいのもなんとなくわかる」
「ふふ」
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