BRST!
執拗に周囲へと気を配りながら奥のスタッフルームらしき扉の前で立ち止まる。
この辺りで昴くんが倒したと思われる人間がやけに増えていくのを感じた。なんの躊躇いも無くその部屋のノブに手をかけた、次の瞬間。
――パァン!!
「え…?」
耳を掠めたのは一発の銃声。それが発されたのは明らかにこの扉の奥。
ガタガタと、全身が震えていくのを感じる。…私のチカラは、一度心臓が止まってしまった者を蘇生させるものではない。
つまり。昴くんがもし今の弾を急所に受けていたら…、
「っ、」
そこまで考えた私は頭を振って邪念を取り払う。震える手に力を入れてノブを回す。
――そして、自身の目の当りにした光景に驚愕した。
「昴くん…っ!」
「稜か、」
立っていたのは彼。そして床に伏せているのは銃を手にした厳つい男。