BRST!
―――――――…
「あ!こんなことしてる場合じゃないんだよ~!」
急に酷く慌て出した響兄に昴くんと視線を合わせる。依頼されていた"闇の組織"はこれで崩壊させたものと思ってたんですけれど。
「うん、仕事はこれで完了したんだけどね。そろそろ警察の皆さんが到着する頃だと思――」
―ドン!
――バァン!
響兄の言葉を遮るようにして耳に飛び込んできたのは無理やり扉を突破する音だった。
「うわあ、もう来ちゃった…!とりあえず二人とも行くよ!」
真っ青になりながらそう言うと、私たちの腕をむんずと掴み裏口目指して走り出した。
「ちょ、響兄!どうして逃げてるんですか!?」
もつれそうになる足を必死に動かし響兄の隣に並びながらそう捲し立てる。今にも魂が抜けそうな表情を浮かべた彼は言う。
「彼らが来るときはもう俺らが退散した後、っていう手筈だったから…!見つかったら捕まるよ!」