BRST!


「んな…!」


だったら尚更あんなどうでもいい会話してる余裕なんてなかったじゃないですか!さいっあく!


「はは、そこまで否定されると悲しいけど反論できないな~!」


ふはははは、なんて薄気味悪い笑顔を貼り付けてそう声を張り上げた響兄。ちなみに現在三人で裏口目指して全力疾走まっただ中ですよ、ええ。


「おい!あれじゃねーか?」


口には出さず、ひたすらそういうことは早く言えよてめぇとその胸中で吐き出していた昴くんが、今度は前方を指さしながらそう叫んだ。


その先を追うように視線を投げかける、と。


「出口…!」


数メートル向こうに佇む巨大かつ豪勢な扉。あれで裏口なんですか、デカ…!


それが近付くにつれ段々と後光が差しているように見えるから不思議なものです。よかった、誤認逮捕されずに済みそうです!

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