BRST!


素っ頓狂な声を出した私に対し、ゆきは不安げな声色になった。


"駄目かな。"

「いやいや、そういう訳じゃなくて…、」


地元は内陸に位置するため、ゆきだけじゃなく誰とも海に行ったことがない私。だってかなり遠いんですよ…!


その旨を伝えると。


"実はさ、総と族の人たちと一緒に海行くことになっちゃって。女あたし一人だし…。"

「あー…。」


なるほど。あんな男だらけの集団に女の子はゆきだけ、なんて不安になるに決まっていますね。


それにしても総は配慮に欠ける男ですね…。


バカな幼馴染に対する怒りがこみ上げると同時に、楽しみにしているであろう電話口向こうの親友のことを考える。


そして。

「よし、ゆき一緒に行きましょう!」


二つ返事で私は一緒に行くことを了承した。


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