BRST!


と。

「稜お前どういうことだ!」


勢いよく振り返った昴くんは、ぐわし!と私の両肩を掴みそう言った。思わず「へ?」なんてこぼした私。何が何だかさっぱりです!


「水着なんて来てどこのヤローと出掛ける気だ!何処のどいつだか知らねーが捻り潰してやる!」


意味がわからず、はあ?と口から出そうになったとき。見覚えのあるモノがバサ、と音を立てて床に崩れ落ちた。


「あ。」


それを目にした瞬間、彼の言葉の真意が分かったのだけれど。


「っ、俺がいんだろ…!」


口にしようとした言葉は、切なげに顔を歪めた彼の唇によってのみ込まれてしまった。


ソファーの背もたれに絡めた両手を押さえ付け、荒々しいキスを降らせる昴くん。


「…んんっ、ふ、待っ、」


嫉妬してくれたみたいで嬉しいですけど、少しは喋らせて欲しいんですけど…!

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