BRST!
「あぁあ…!」
そのまま窓から消えてしまった食券。私は深く考えず、窓枠に手を掛けて身を乗り出した。
「え、ちょっと稜!どうしたの!?」
「……食券拾ってきます!」
そのままバッと身を投げ出し、「ここ二階なんだけどぉおー!!」という里麻の叫び声を背に受けながら地面に降り立った。
「うっ、」
ちょっと、いやかなり膝に負担がきたけれど着地は一応成功…!
若干痺れる膝を摩りながら振り向くと、一人の青年が茫然とこちらを見つめていた。
「…………は…?」
「あ!!」
突然大声を上げた私にビクリ、肩を揺らす青年。
明るめのブラウンに染められた髪が風に靡いていた。