BRST!


自身の中でカウントを終え、掴まれていた腕を捻り上げた私は男の腹部を蹴り飛ばした。


と。

「――――カ、ハッ…!」

「―――ぐあッ、」

「――――ッウ゛!」


耳に届いたもう二人分のうめき声。


あれ…?私が蹴ったの、一人なんですけど。


胸中首を捻りながらも視線を後ろに向ければ、先程の青年が立っていて。


その足元には三人の内の二人が伸びていたのだから目を見張った。


「………あんた、」


それは青年も同じらしい。きっと私が喧嘩出来るなんて夢にも思わなかったんだろう。


驚きを隠せない表情で私を見つめていた。

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