BRST!


「里麻、無事ですか?」

「えぇ!?あたしは全然!寧ろ稜大丈夫なの!?さっき、校舎から絡まれてるの見えて、急いで来たんだけど…!」


荒い息を整えながら口からそう紡ぎ出した里麻に思わず頬を緩めた。


お互いに心配していたなんて。良い友達持ったなぁ、なんて笑っていると「なに笑ってるの!?」と軽く叱られた。


「あ、そういえば!」

「なんですか?」


髪を耳にかけて手でパタパタと扇ぐ里麻に首を傾げれば、思い出すように視線を宙に浮かせた後口を開いた。


「さっき稜が一緒に居たイケメンくんさぁ、"天龍"総長の須藤夏樹だよ。」


…、イケメン……?


あ、先程の青年のことだろうか。日頃昴くんと一緒に居るからそこら辺の感覚が麻痺しているのかも。


――…って。

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