BRST!
完全に高を括っていた私は受験対策の参考書を手に取り、頬杖をつきながら目を通し始めた。
何故だかイベント毎に季節が移ろっている気がしなくも無いが、これでも高校3年生。受験生まっただ中である。
希望の種目のときには挙手しようと心に決め、手元の書物に意識を集中させていた、
そのとき。
「じゃあ発表しまーす。ええっと……、
稜ちゃん!」
「…………。」
「稜ちゃーん!」
「え、あ、はい!?」
しまった、何も聞いていなかった…!
目を白黒させて委員の子を見詰める私に対し、その子は「聞いてなかったの?」と些か拍子抜けした様子を見せた。