BRST!
「稜ちゃん、リレーお願いできる?」
「ええ、わ、私ですか……!?」
「うん。だって断トツで一番だし。」
ほらほら、と。眼前に晒し出された資料に目を細めれば、確かに私がクラスで一番のタイムを叩き出しているらしい。
「(………。)」
ぐるり、と。周りに視線を走らせれば、期待を込めた瞳で私を見詰めるクラスメートたち。
これは……、無言の圧力というやつだろうか。
断れる筈、ありませんよねー…。
「……わかりました…。」
「ありがとーっ!」
苦し紛れにそう吐き出した私であったが、委員の子は対照的にそれはもう素晴らしい笑顔を向けて下さった。
そして私はと言うと、黒板に自分の名前が記されていく様をただ茫然と見つめていたのであった。