BRST!
「いえ、大したことじゃないんです。」
「そうは見えねーぞ?」
「…本当に些細なことなんですけど……。」
「いいから言えって。」
骨ばった手に引かれてリビングへと戻ると、ソファーに座った彼につられるようにして腰を下ろした。
コーヒーを置いてきてしまったけれど、あとで飲めば問題無いか。
「で?」
優雅に長い脚を組んだその姿にドキリ、心臓が少し跳ねた。
切れ長の瞳に、整った鼻筋、綺麗な眉。
里麻は須藤さんのことを"稀に見るイケメン"だと称していたが、やはり私は昴くんの方が恰好良いと思う。
まぁ、これも惚れた弱みと言うやつなのかもしれないけれど。