BRST!
「それじゃ、どうして響兄には怒ったんですか?」
先刻見せられた色んな意味で可哀相な響兄の頭皮を思い出しつつ、定位置へと戻った昴くんを見上げてそう口にすれば。
「あー、それは単にムカついたから。」
「…?」
「言ったろ。いちゃこらし過ぎ、ってよ。」
そのまま流れる様に額へと唇を寄せるものだから、ドキリと心臓が悲鳴を上げた。
不規則に脈打つそれを気にしつつ、そろりそろりと視線をずらして彼を捉えると。
「っ、」
もう、なんて言うか。
唯でさえ恰好良いのに、自分の魅力を存分に引きだすような形で口許に弧を描くものだから、尚更心臓を忙しなく鼓動させてしまった。