BRST!
事の発端は数時間前。
「稜、オセロやるぞ。」
「今ですか?」
「おー。」
日曜日という休日を存分に謳歌していた昴くんと私。
日が傾きかけ、外の世界は橙色に包まれてゆく時間帯。
いきなりオセロボードを手にした昴くんが現れ、部屋の中央にあるテーブルにコトン、と置く。
「別にいいですけど……。」
どうでもいいけど、昴くんってオセロ好きですよね。
手にしていたダスターを倒れないように扉に引っ掛け、表情の引き締まった昴くんの正面に腰を下ろす。