BRST!
目的地は昴くんと響兄のお宅。
"約束"を気にするあまり、滅多に彼らを訪ねようとしない私に対する母親なりの気遣いなんだろうか。
まあ、でも。
例え今伺ったところで、昴くんはほぼ確実に不在だと思うけれど。
今日の私の服装は、Tシャツにショートパンツというラフなもので。
「………。」
チェーンに繋いでTシャツ下に潜らせている、クリアストーンの散りばめられた小さなリングに軽く触れる。
今ではもう、サイズが合わなくなってしまったけれど。
これは言わば"約束"の証だ。