BRST!
そう。そこに立っていたのは、
「昴……くん。」
紛れも無く私が"約束"を交わした相手である、相川昴その人に他ならなかったから。
―――――――――――…
『稜、お前に持ってて欲しい物があるんだ。』
『持ってて欲しいもの、ですか?』
当時の私は確か小学校の低学年で。
春から中学校に通い始めた、"従兄弟"で仲の良い昴くんによく遊んでもらっていた。
私の家は道場。
その日も稽古を終えた後スポーツドリンクで喉を潤していれば、不意に昴くんから声を掛けられた。