BRST!
「はあ!?稜は俺の女なんだぞ!」
「それがどうしたって言うんだよ!俺は稜ちゃんの従兄弟なんだぞ!」
「それこそ俺だって従兄弟だわ!!」
周りの女子生徒にはこの下らない小競り合いが聞こえないのだろうか、黄色い歓声は留まるところを知らない。
校舎内を散々駆け回った彼等は、ようやく目的地である稜の教室に辿り着いた。
「稜!」
「稜ちゃ~ん!」
バン!と思い切りドアを開けた二人は、一瞬にして教室内の視線を集めた。
シーン、と。静まり返った教室。
しかし次の瞬間には何事も無かったように騒然とし始める。