BRST!
「りょう、」
「なに――、って!えぇ!?」
「「きゃああぁあああぁあああ!」」
何が起こったのかと言うと。
名前を呼ばれておもむろに顔を上げた私の頬に、"ちゅっ"と小さなリップノイズが下りてきて。
その犯人は勿論ユイな訳だけど、それを見ていた女子生徒諸君が悲鳴まがいの声を上げたのだ。
だが彼のそんな行動に慣れてしまっている私は至極冷静なままで。
溜め息をひとつ吐いては少々呆れたような表情を浮かべつつ、ユイを窘めようと口を開く。
「ユイ、私にこんなことしたら駄目。」
「なんで。」