BRST!
「アナタなんなのよ!」
「別に。」
「私だって自分のこと言ったんだから、アナタも言うのが礼儀じゃないの!?」
「…」
「それに稜さんには彼氏が居るの!気安く手を出さないで欲しいわ!」
啖呵を切った委員長を見下ろして瞳を細めるユイ。
「うわ、禁句だ」なんて思う私はこの場に居る人間の中で一番楽観的なのだろうか。
まあ、客観的に事態を把握したら冷や汗ものだろう。
しかし不本意ながらもユイは昴くんを認めているし、昴くんだってユイが度々私にちょっかいを出すことを知っている。
……二人の仲が良いとは言えないけれど。
教室に居る誰もが固唾を呑んで見守る中、おもむろに視線を上げたユイはやけにゆっくりとした口調で真実を告げた。