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/稜と聖龍 《過去編》
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『今日は、皆に紹介したいやつを連れてきた。』
それは、いつかの昴くんの姿。
金色に輝く髪は無造作にセットされていて、誰もがその力強い後ろ姿に憧れを抱くような。
先日たった一人で私を助けにきてくれた日から"歴代最強の総長"と謳われるようになったことも、取り上げるほどのものでは無いという面持ちで凛と佇んでいて。
倉庫内に居る全ての人間の注目を必然的に集めてしまう彼は、紛れも無くここのトップに君臨する男だった。
『稜、こっち。』
『あ……はい。』
どくどく、と。早鐘を打つ心臓を抱えつつ、震える脚に鞭を打って彼のほうへと歩み出す私。