BRST!
そして、隣に並んだとき。
『っ、』
刹那的に、ごく自然に。
私の腰へまわされた彼の逞しい腕に心臓の鼓動は更に速まる。
行き場のない自らの両手は身を包んでいる服にぎゅっとしがみ付かせ、そろりと視線を落とした私は瞳を見張った。
眼下に広がる、人、人。
それは紛れも無くここ、昴くんが束ねる"聖龍"という暴走族に所属する人たちで。
昴くんの腕に抱かれる私を目にした彼らの表情は驚きに染まっていたけれど、それを口にする人間は誰ひとりとして居なかった。
『……こいつは稜、俺の大事な女だ。これからは、ここに居るお前等にとっても守る対象にして欲しい。すまねえが、よろしく頼む。』